防災センターの複数棟監視――人手不足時代の建物管理を考える

人手不足や人件費上昇への対応を考えるうえで、近隣建物の防災監視体制を共同化する仕組みに注目しています。

東京消防庁は「防災センターに関する技術上の基準」を改正し、防災センターの設置が義務となる建物についても、一定の条件下で敷地外からの遠隔監視を可能としました。複数の建物を一つの遠隔監視場所で監視し、防災要員が複数棟を兼任する仕組みも示されています。

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所有者が異なる建物も共同化できる

東京消防庁の2026年3月27日付質疑回答では、所有者が異なる建物でも複数棟監視は可能とされています。ただし、管理会社を統一するなど、一元的に管理する体制が必要です。

この点は、建物ごとにオーナーや管理体制が異なる都市部で、地域単位の連携を検討する手掛かりになります。

安全性を確保する条件がある

遠隔監視には、用途・時間帯・設備・人員配置などの条件があります。

原則として、遠隔監視は公開時間又は従業時間外が対象です。共同住宅は常時遠隔監視の対象となり得ますが、スプリンクラー設備などの要件への適合が必要です。一方、宿泊者・入院者が常時在館し、公開時間を切り替えられないホテルや病院等は対象にできないとされています。

また、限界時間である9分以内に必要な対応行動を完了できる体制が求められます。これは建物への到着時間だけを意味するものではありません。火災対応中の他棟の監視や、通信障害等が発生した場合の体制も確保する必要があります。

BBPが考える提案の方向性

BBPでは、近隣建物の防災監視体制の共同化を、今後のコンサルティングテーマとして検討したいと考えています。

対象建物の設備・用途・管理体制を調査し、消防機関との事前協議、専門事業者との連携、オーナー間の役割・費用分担の整理を進める。そのうえで、必要な設備投資と導入後の運営費を比較し、実現可能性を判断する流れを想定しています。

人員の共同活用や監視業務の標準化には利点が期待できます。ただし、費用効果は設備改修費、通信・保守費、必要な人員配置によって変わります。

安全性と継続性を確保しながら、建物単位から地域単位へ管理の選択肢を広げる。今回の基準改正を、その可能性を検討する契機にしたいと考えています。

出典・確認日

東京消防庁「防災センターに関する技術上の基準の改正について」(2026年3月27日更新)、同ページ掲載の技術上の基準・改正概要・質疑回答(特に遠隔監視の問4・5・52)。確認日:2026年10月10日。

https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/office_adv/bousaisenta.html

※適用条件は東京消防庁の公表資料に基づきます。個別建物への導入については、管轄消防署等との協議が必要です。

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